2010.06.01 Tue [長年日記]
# [本] 雷桜 - 宇江佐真理
数ヶ月前「雷桜」の映画のCMを見かけ誰が書いた時代小説なのか気になって調べたところ宇江佐真理さんの作品であることが判明。が、品切れのようで書店に置いてないしAmazonにもないので図書館で借りた。
江戸から三日を要する山間の村で、生まれて間もない庄屋の一人娘、遊が、雷雨の晩に何者かに掠われた。手がかりもつかめぬまま、一家は失意のうちに十数年を過ごす。その間、遊の二人の兄は逞しく育ち、遊の生存を頑なに信じている次兄の助次郎は江戸へ出、やがて御三卿清水家の中間として抱えられる。が、お仕えする清水家の当主、斉道は心の病を抱え、屋敷の内外で狼藉を繰り返していた…。遊は、“狼少女”として十五年ぶりに帰還するのだが―。運命の波に翻弄されながら、愛に身を裂き、凛として一途に生きた女性を描く、感動の時代長編。
[内容(「BOOK」データベースより)より引用]
満点。甘く、優しく、美しい。至福の読書タイムでした。
主人公の遊と清水家の若当主・斉道の悲恋はもちろん重要なのだけれど、あくまでメインは遊の生きざま。他にも瀬田村の遊の家族や清水家の当主と家臣の描き方とか、遊の失踪の謎など、隅々まですばらしい。中盤の初めあたりからじんわりと目が潤みっぱなし。涙が零れ落ちるほどではなく、終始潤んでいる感じ。具体的に書くと、斉道が遊の兄・助次郎を家臣に取り立てる場面、遊と遊の母・たえが梅干を作る場面、遊と遊の兄嫁・初の和解の場面とかあげたらきりがないほど。
「雷桜」前後の作品を単行本で多く読んでいた頃なのに、なんで見落としてしまったのか今となっては不明。もしかしたらファンタジー過ぎると敬遠してしまったのかもしれない。ディズニー映画にありそうなきれいなお話と思ったのであながちはずれてはいませんが。
尚、本書を読むきっかけとなった映画(のCM)の情報を少し。今年の10月22日に封切。主なキャストは、斉道(岡田将生)、遊(蒼井優)、助次郎(小出恵介)、榎戸角之進・清水家用人(柄本明)。斉道はご乱心の若当主っぽくはある。遊は少々薹が立っているのと女性らしすぎるような。というか、なぜ遊の名前が最初じゃないんだ?一番の問題は物語上重要な人物ではあるが登場場面はほとんどないはずの役に時任三郎が配役されていること。
時代小説ながら女性読者からの支持を獲得し、発行部数10万部を突破した原作を、「余命1ヶ月の花嫁」の廣木隆一監督とTBSの平野隆プロデューサーが再タッグを組む。
[蒼井優、「雷桜」で初共演・岡田将生の新たな魅力を開拓 - Ameba News [アメーバニュース]より引用]
うわ、NGワードがいっぱい。トレーラー見ましたがやはり不安。2時間弱に納めなければいけないわけだから後半悲恋話をメインにせざるを得ないのはなのはわかるが・・・原作というよりかぎりなく原案な扱いなのかも。ダメ映画臭がぷんぷんする。というわけで残念ながら期待値は0。